人間になりたがった猫

今日は劇団四季の「人間になりたがった猫」を見に行ってきた。
2010年の1月まで色々なところで地方公演。秋にもう一度行きたい。というか、絶対行く。

「こころの劇場」ということで、子供とその保護者が断然多いのだけど、ストーリーは子供も大人も楽しめる。
子供は子供の視点で楽しむことができ、大人は大人で色々と考えさせられる作品。
原作はロイド・アリグザンダー。児童文学だからという理由で興味を持たないのはもったいないことだと痛感した。

今日のキャスト

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|~役名|~キャスト|
|ステファヌス|種井 静夫 (たねい しずお)|
|ライオネル|上川 一哉 (かみかわ かずや)|
|ジリアン|小川 美緒 (おがわ みお)|
|タドベリ|渋谷 智也 (しぶや ともなり)|
|トリバー|はにべ あゆみ (はにべ あゆみ)|
|スワガード|川原 洋一郎 (かわはら よういちろう)|
|男性アンサンブル|廣野 圭亮 (ひろの けいすけ)|
|~|関 隆宏 (せき たかひろ)|
|~|佐藤 晃仁 (さとう てるひと)|
|~|嶋崎 孔明 (しまざき よしあき)|
|~|二見 隆介 (ふたみ りゅうすけ)|
|~|天野 誠 (あまの まこと)|
|~|塩地 仁 (しおち じん)|
|女性アンサンブル|園田 真名美 (そのだ まなみ)|
|~|海野 愛理 (うんの えり)|
|~|合田 友紀 (ごうだ ゆき)|
|~|牧野 友紀 (まきの ゆき)|
|~|山西 里奈 (やまにし りな)|
|~|山下 由衣子 (やました ゆいこ)|
|~|西浦 歌織 (にしうら かおり)|
|~|池田 祐子 (いけだ ゆうこ)|
|~|勝田 理沙 (かつだ りさ)|
|~|齋藤 舞 (さいとう まい)|
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子供にも楽しめるようになっているので、大人が見るとだいぶわかりやすい。時間も少し短くて、休憩15分を入れて2時間くらいだった。そのせいもあってか、少し展開が早いというか淡泊な部分がある気はする。

なんだか、私の好みにハマってしまったようで、音楽もストーリーもセリフもやたらと好き。今日のキャストも私に合っていたのかもしれない。
CDないのが残念すぎて舌噛みそう。
くどいだろって思うくらい同じ曲を歌ったりもするけど、きっとそれは子供たちに向けて伝えたい部分なのだろう。

後半は色々考えてしまったり切なかったりで目から水が出て止まらなかった。

そして、「悪いことをしたのならその報いを受けよ」みたいな因果応報を良しとしている自分にはグサグサとくるシナリオだった。

人間は、感情だけじゃなくて色々な都合を理由に人間を殺すことができてしまう。戦争とか保身とか。
人が人を殺すニュースが毎日テレビから聞こえる中で、例えば、「大量無差別殺人をした人間は命を持って償うのが当然だ」というような自分の考え方が当然のようにあった。
それは自分の中の「正義」(そんな大したものでもないけど。)というか、「理不尽に命を奪われた人の無念」とか「大切な人を失った人の気持ち」とか「社会秩序の維持」とかその他色々を考慮した上でだった。
だけど、どんな理由があってもそれは「当たり前」でも「普通」でもない。
元々の「大量無差別殺人をした人間」がそれをしなければいいだけではあるのだけど、それはもはや願望とか仮定の世界でしかない。

「罪のない人を苦しめたのだから、見殺しにされればいい」というような過激な気持ちは持ったことはないけど、「罪を犯した人間は相応の裁きなり報いを受けてしかるべき」という考え方は少し進む方向を間違えれば、危ない思想になる。
現実問題として裁判とか法律は大事だと思うけれども。

人が人を殺すとかそういうことだけでなくて、どんなことにおいても理想と現実の乖離は当然ある。
理想だけを見て生きていくことは難しい。
でも、全てが理想で成り立つとは言わないけれど、現実を直視しすぎて理想を忘れてしまわないようにしたい。
理想がどんなに現実から遠くても、たとえ絶対に実現ができないとしても、心の中とか思考の中には持っていよう。

なんだか大きな話になってしまってうまくまとめられない。
思い出すだけで目から水が出るし。

なんか面倒くさそうなことばっかり書いてるけど、これは私が面倒くさい人なのであって、作品自体はこんなのじゃないよ。子供にも大人にも素直にお勧めできる良い作品です。

で。
もしも、猫が「人間になりたい」と言ったら、人間は胸を張ってそれを勧められるだろうか、と問われるとやっぱり難しい。

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